| 掲載記事へ リンク | ||||
|
特別寄稿 「松下浩二」 プロ生活10年目にして奏でる巡礼のような響き 壁谷卓 (オールアバウトジャパン「卓球ガイド」) | |||||
|
この春、松下浩二はプロ生活10年目のシーズンを迎えた。1993年4月17日、日本人として初めて卓球のプロ選手となった彼は、その後、世界のトップ選手が集うブンデスリーガでプレーするなど、日本人選手にとっての未踏の地に次々と分け入り、この国の卓球関係者に意識改革をもたらしたばかりではなく、夢や希望をも与えつづけてきた。先駆者として、開拓者として、彼が歩んできた道のりをたどりつつ、10年目に到達した境地を聞いてみたい、と思ったのがインタビューを申し込んだ理由である。 昨年の全日本選手権において、彼は男子シングルスで3回目の優勝を果たしたものの、倉嶋洋介との準決勝、偉関晴光との決勝は、流れがひとつ変われば結果は違ったものになったかもしれない。そう思う一方で、私にはなぜか彼は絶対に負けないだろうという奇妙な確信が芽生えていた。あえてその根拠を探すとすれば、彼の「人間力」が醸しだしているとしか言いようのない不思議なオーラが会場の空気を支配していたからだ。手のうちを知り尽くした相手をして「頭が真っ白になった」と言わしめ、2度世界の頂点に立った39歳をして「焦っていた」と言わしめたものは、人間・松下浩二だったのではなかったかと思い、彼の話に耳を傾けたくなったのである。 10年目にして奏でる巡礼のような響きが、あなたにも聞こえるだろうか。 2002年4月17日 ![]() | |||||
オールアバウトジャパン「卓球ガイド」 | |||||