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 卓球王国 1999年 21号
 CROSS TALK より  


 
インタビュー・文 今野昇
 
写真 高橋和幸
       
こういうタフな試合をやりながら
実力をつけていくんでしょうね、
こちらの選手は 
Matsushita
   
世界ランキングを上げることは
タイトルじゃない。それは
ただの自己満足じゃないのかな
Rosskopf
   
プレッシャーをはね返す方法?
毎試合ごとに何か新しいものを
見つけて、卓球を薬しむことかな
Samsonov

こういうタフな試合をやりながらがら
実力をつけていくんでしょうね、
こちらの選手は  Matsushita
 

 − 11月13日のグレンツァオ戦についてのコメントをもらいましょう。
サムソノフ  見ての通り、チームは 『グレンツァオ』 に3−6で敗れ、ぼくは2点を落としてしまった。もちろん満足しているなんて言えないよ。1試合日のコルベル戦はよくなかったけど、2試合日のチエン・シピン陳志斌(チェン・シビン)戦はだいぶよくなっていた。
 チームとしてはシーズンに入ってからまだ6試合目だし、これからもっとよくなっていくと思うよ。
ロスコフ  あまり勝つチャンスはなかったね。でも、この試合はそれほど大切だとは思ってないよ。来年のプレーオフの決勝で勝てばいいんだから。
松下浩二  グレンツァオ戦は、ぼくにとっては13日の金曜日でしたよ(笑)。相手も弱くない。ぼくに勝つチャンスはあったし、惜しいことをした。ただ、シーズンが長いから負ける時もある。ただ、負けたことよりも内容、つまり自分の思ったようなプレーができなかったことが歯がゆい。メンタルの問題でしょう。
 やっぱり勝ちたかったんでしょうね。ぼくの前でブラディ(サムソノフ)とロッシー(ロスコフ)が負けたから、気持ちが守りになった。リードして逃げ切ろうと思って消極的になった。フェッツナー戦では19−15から逆転負け。19−17で3球目攻撃をミスした。ブンデスリーガではイージーミスをしたら絶対勝てない。その負けを引きずって2試合日のブラシュチック戦を戦ってしまった。でも、ブンデスリーガの雰囲気にはもう慣れました。とにかく、ブンデスリーガはタフですね。毎試合、気が抜けない。ぼくは1部リーグ1年生なのでいい経験をしてます。
 ブンデスリーガはただ強いだけでは勝てない。ブラディが一晩で2敗するくらいだから。でも、こういうタフな試合をやりながら実力をつけていくんでしょうね、こちらの選手は。
 − ロッシーの今の調子は?
ロスコフ 特にこの半年間は肩の痛みを感じていたので、シーズンオフにその痛みをとるための体力トレーニングを行った。この準備はこれからの3年間の自分のプレーに備えるためのものなんだ。2000年、2001年までプレーを続けたいからね。ドイツはとにかく試合が多いし、シーズンが始まるとゆっくり休んだり、集中的に鍛えることはできないんだ。
 シーズン初めは『ヨーロッパマスターズカップ』で準決勝まで進んだけど、内容はそれほどよくなかった。でも、中国での 『ワールドカップ』で優勝できたのはうれしいね。
 − コージから見たクラブの印象ま?
浩二 組織的にすごくしっかりしたクラブだなという印象があります。練習内容に関してはマリオ(・アミズイツチ)が選手とディスカッションをして時間とか内容を決めていく。
 彼は選手とよく話し合いますね。このクラブのいいところは若手とトップ選手が一緒にやりながら、若手を育てているところ。他のクラブのように金で選手を引っ張ってこない。
− 1部と2部では予想以上に違う?
浩二 簡単に勝てる選手も、簡単に負ける選手もいない。でも楽しいですよ、強い選手とやるのは。ぼくの能力を引き出してくれるから。アッ
、オレはこんなプレーもできるようになつたのか″と。
 − 日本の若手でも、こういう厳しいところに飛び込んできたら強くなるんだろうね。
浩二 そう思います。やはり経験が必要です。早く日本の選手が気づいてほしい。どういった方向に自分が進んでいけば強くなるのかは、自分自身でわかっているはず。でも、いろんなしがらみがあって、こっちに来れないと思う。会社、学校、自分の将来、お金、ガールフレンドのこととか。いろんな理由を作ってこっちに来ない。日本選手は卓球以外に大事なものがたくさんありすぎるのかもしれない。それを自分で作ったり、まわりが作っているのかもしれない。こちらでは自分のことは自分で作るけど、日本では与えられるだけの環境。まあ、日本は平和なんでしょうね。
 − ブラディは8月末のシーズンのスタートでは負けなしで、国際大会でも勝っていたね。
サムソノフ 確かに初めの頃はトーナメントでも勝ち、ブンデスリーガでも連勝した。でも調子はよくなかった。シーズン初めはみんながまだベストの調子ではないから、ぼくが勝てていたんじゃないかな。今はその頃よりも調子はよくなってきたけど、まだ少し時間が必要だね。いいフィーリングをつかんで卓球を楽しむところまでいってないね。
 接戦が多いけど、そこで勝ちきれない。特に試合の大事な局面でサービスミスをしたりして、試合に負ける。ワールドカップやイタリアオープンでもそんな試合があった。とても不思議なフィーリングなんだ。自信もまだ持ててないし……これは練習で解決するしかない。そのうち元に戻ると思うけどね。
 − 体が疲れているんだろうか、それともメンタルかな。
サムソノフ メンタルと言うよりも……確かに体から硬さがとれていないし、足の動きもスローだね。この5カ月くらい、とても不思議な状態なんだ。
−ヨーロッパ選手権で優勝したあと?
サムソノフ いや。そのあとに日本での875ドリームカッププロトーナメント(多度津)で優勝したり、ブンデスリーガの決勝まではよかったんだ。夏に長い休みを取ったけど、そのあとに元の感覚を取り戻せていないんだ。何かを失っている。去年も、同じょうにシーズンの初めは調子が上がらず、12月くらいからよくなっていったんだ。
 − ヨーロッパチャンピオンになったあとに、何か変化した?
サムソノフ 別にないね。ヨーロッパチャンピオンというタイトルをとったことで、ぼくのキャリアが終わったわけじゃない。今でもぼくは大きな目標を目指している。もっとたくさんのトーナメントで勝ちたいし、もっといい練習をして、体も鍛えていきたい。
 − でも、君にとっては初めてのビッグタイトルになったね。
サムソノフ そうだね。あんなビッグタイトルを取れたのはハッピーなことで、もちろん第一のターゲットでもあった。でも、それが終点ではない。そりゃ、ある日ぼくのキャリアが突然終わるなら、そのタイトルが唯一のビッグタイトルとして残るだろうけど、まだぼくのキャリアは始まったばかりなんだ。これから世界チャンピオン、オリンピックチャンピオンを目指し、それに向かって練習し、挑戦していくんだ。

 
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